自作赤外線リモコンコントロールアンプを設計してみる

05 May 2016 — Written by Aki
#ハードウェア#赤外線リモコンコントロールアンプ#KiCad
この設計したハードウエアとこの後に作ったソフトウェアを組み込んで完成したアンプの動作です。

実現したい機能

  • ステレオ電子ボリューム
    電子ボリュームが製作の動機
    電子ボリュームの設定値は電源OFFでも忘れないこと
    ステレオ電子ボリュームICはNational Semiconductor LM1972を使う

  • 2系統オーディオ入力セレクタ
    PC音源,その他音源の切り替え目的
    セレクタはOMRON G5VリレーをMCUで制御する

  • ヘッドホンアンプ
    せっかく作るならこれもほしい
    LME49600データシート の回路を参考にして
    オペアンプはNational Semiconductor LME49720を使い
    バッファーにNational Semiconductor LME49600を使う

  • パワーアンプ
    手持ちのTDA7491KITを利用
    ポップノイズ抑制のためにMUTE/STANDBY機能をMCUで制御する
    電源側に8200uF電解コンデンサを入れる(容量の割に安かったので)
    突入電流抑制回路をMCUで制御する

  • ディスプレイ
    現在のボリュームを確認するために必要
    ディスプレイ電源OFF機能もつける
    I/Oピンの余剰数制限でI2Cインターフェースの物を使用する
    有機ELキャラクタディスプレイモジュールにSunlike Display SO1602を使う

  • ステレオオーディオレベルメーター,ピークメーター
    あれば楽しそう

  • コントローラ(MCU)
    arduinoで使われている物で入手性がのでAtmel AVR ATmega328Pを使う 電子ボリュームの設定値は電源OFFでも忘れないためにAVRのスリープモードをシステム電源OFFにします

  • 赤外線リモコンでコントロール
    赤外線リモコンコードの学習機能をつける 赤外線リモコン受信モジュールにPARA LIGHT PL-IRM2161-XD1を使う

  • ロータリーエンコーダーでコントロール
    RGBLED,スイッチ付きロータリーエンコーダにSparkfun COM-10984を使う

  • ケース
    タカチHEN110820を使う

  • KiCad EDAで設計
    KiCad EDA で設計したガーバーデーターでプリント基板を発注します。

設計

図面はKiCadで書きました.

block-diagram
ブロック図

audio-amp
階層シート

アナログ回路

analog-section
アナログ回路図

オーディオ入力セレクタ

リレーのc接点によって切り替えます。

電子ボリューム

データーシートの Typical Application 通りですが後段のアンプを出力バッファの代わりにします。

LM1972-001
LM1972データーシート

ヘッドホンアンプ

LME49600-10
HIGH PERFORMANCE, HIGH FIDELITY HEADPHONE AMPLIFIER Figure 28 / LME49600データーシート

ヘッドホンアンプの構成はFigure 28より U2-Aが非反転アンプ, U2-BがDCサーボ。

これを参考にVRを電子ボリュームに変更して,
オペアンプをオリジナルの左右分離は基板の配線が困難だったので,
増幅段とDCサーボに分離しました。

データシートでタンタル/セラミックコンデンサが指定されているが, すべてDCサーボ用のフィルムコンデンサと同じものを使いました。

フィルムコンデンサが1個70円もしたので, 設計図に書いてあるすべてのフィルムコンデンサは実装していません。

パワーアンプ

スイッチ付ミニオーディオジャックのAJ-1780でヘッドホンプラグが刺さっていないときにはスピーカーから音が出るようにしました。

オーディオ入力電圧絶対値回路

オーディオレベルメーター用に全波整流回路を用意します。

LMC6482-17
page.17 - Figure19 Full Wave Rectifier / LMC6482データシート

この回路はFigure19 Full Wave Rectifierそのままです。

制御回路

controller_section
制御回路図

  • atmega328pのクロック源は8Mhzセラロック(負荷容量付き)
  • ケースを開けずにソフトウェアを書き込める用にAVRISPコネクターを用意
  • ソフトウェアがフリーズしたときのためのハードリセットスイッチを用意

パワーアンプ制御回路

TDA7491HVdatasheet-01
TDA7491HVデーターシート

メインアンプICのデーターシートにNo ‘pop’ at turn-on/offと書かれているが,
ブレッドボードでの試作中に電源ON/OFF時メインアンプのポップノイズが気になったのでフォトカプラによって間接的にスタンバイ/ミュート端子を操作します。

赤外線受信モジュール回路

PL-IRM2161-02
PL-IRM2161-XD1データシート

B.P.F Center Frequency38KHz
Peak Emission Wavelength940nm
Output FormActive low output

キャリア周波数38KHzで波長940nmの赤外線を受信できる赤外線受信モジュールを選びます。
その出力は負論理信号ですがソフトウェアで論理反転を行ないます。

RGBLED,スイッチ付きロータリーエンコーダ回路

  • ロータリーエンコーダと入力スイッチはマイコン内蔵プルアップ抵抗でプルアップするので直結します。
  • スイッチは負論理信号ですがプログラムで論理反転を行ないます。
  • RGBLEDは +12V 電源に接続します。

I2Cディスプレイ回路

SO1602AWYB-UC-WB-U-10
SO1602AWデータシート
SO1602AWYB-UC-WB-U-11
SO1602AWデータシート

  • コネクタよりディスプレイモジュール側はモジュール側の基板に取り付けます(チップコンデンサとかジャンパー線とか)
  • SAOをGNDに接続しているので,I2Cディスプレイアドレスは0x3Cになります。
  • ついでにディスプレイモジュールのON/OFF回路をつけておきました。

電源回路

IRamp-controller_section
電源回路図
DC12V入力をパワーアンプに供給し,3.3Vロジック電源と±5.0Vアナログ電源を作る部分です。
ヒューズ無しは不安なのでポリスイッチで保護します。

パワーアンプ電源

入力電源をANALOG_PWR信号でスイッチします。
MOSFETスイッチにはFDS4935を使います。

-7A, -30V RDS(ON) = 23mΩ @ VGS = -10V

出典: FDS4935データーシート

ID = -7A, VGS = -12VでRDS(ON)23mΩを2個並列で使うので

R=12×1RDS(ON)=RDS(ON)2=11.5[mΩ]R = \frac{1}{2 \times \frac{1}{R_{DS(ON)}}} = \frac{R_{DS(ON)}}{2} = 11.5 [ mΩ ]

RDS(ON) = 11.5mΩ, ID = −14 [A]のスイッチ経由でパワーアンプに電源供給します。
コンデンサの突入電流抑制は2W33Ω抵抗を直列に入れて一定時間後に2SK2411で抵抗を短絡することで行います。

3.3vロジック電源

3.3Vロジック電源はシステムON/OFFに関わらず動作している回路への電源なので,
待機電流を減らすためにできるだけ効率の良いレギュレータを探しました。

今回はNJU7223DL1-33を使います。

NJU7223DL1-01
NJU7223データシート – page1
NJU7223DL1-02
NJU7223データシート – page2
NJU7223DL1-04
NJU7223データシート – page4

  • 出力電流 500mA
  • 低消費電流 30μA typ.
  • 短絡保護回路内蔵
  • サーマルシャットダウン回路内蔵
  • 入力電圧 : 最大14V
  • 絶対最大定格 : 消費電力7.5W (TO-252パッケージでTc≦56℃)

3.3Vロジック電源の負荷

  • 有機ELディスプレイが全点灯時で 3.3V × 88mA = 290 [mW]
  • 赤外線受信モジュール(IRM)が 3.3V × 2.5mA = 8.25 [mW]
  • フォトカプラ2つが \( 2 × V × \frac{V − V_F}{R} = 2 × 3.3 × \frac{3.3 − 1.0}{330} = 46 [mW] \)
  • マイコンは不明 全部合わせてだいたい 400~450mW くらいだろうから

負荷電流

I=PV=4503.3=0.136[A]I = \frac{P}{V} = \frac{450}{3.3} = 0.136 [A]

レギュレータの発熱が

PD=(12V3.3V)×0.136A=1.18WP_D = (12V - 3.3V) \times 0.136A = 1.18 W

絶対最大定格が7.5Wだし,基板に放熱する熱抵抗を考慮しても問題なさそう。

アナログ正負電源

アナログ正負電源は入力電源からdc-dcコンバータで±5Vを作って,チョークコイルとタンタルコンデンサで平滑します。
タンタルコンは10個100円だったので多めに入れておきました。
このコンデンサの突入電流はチョークコイルで抑制されるだろう(未確認)dc-dcコンバータにはMCWI03-12D05を使います。

FEATURES Fully Regulated Output Overload Protection Remote On/Off Control Notes All DC/DC converters should be externally fused at the front end for protection.

出典: MCWI03-12xデーターシート

  • dc-dcコンバーターの保護は電源側のポリスイッチ
  • 負荷の保護はdc-dcコンバーターの保護機能に頼ります
  • Capacitive Load:470uFを超えるとOver current Protectionが働くようなので負荷容量はそれ以下で

アナログ正負電源はANALOG_PWR信号でスイッチし,±5V±300mAの供給能力です。

部品表

KiCadが出力したBOMファイル

ReferenceValue-
C01220uaitendo
C0247u秋月電子通商
C038200u秋月電子通商
C0422u(tantalum)aitendo
C0522u(tantalum)aitendo
C0622u(tantalum)aitendo
C0722u(tantalum)aitendo
C081u(film)秋月電子通商
C091u(film)秋月電子通商
C10open
C11open
C121u(film)秋月電子通商
C131u(film)秋月電子通商
C141u(film)秋月電子通商
C151u(film)秋月電子通商
C161u(film)秋月電子通商
C171u(film)秋月電子通商
C181u(film)秋月電子通商
C191u(film)秋月電子通商
C201u(film)秋月電子通商
C211u(film)秋月電子通商
C220.1u秋月電子通商
C230.1u秋月電子通商
C240.1u秋月電子通商
C250.1u秋月電子通商
C262.2u秋月電子通商
C271u(film)秋月電子通商
C281u(film)秋月電子通商
C2922u(tantalum)aitendo
C3022u(tantalum)aitendo
C310.1u秋月電子通商
C320.1u秋月電子通商
C330.1u秋月電子通商
CON1BARREL_JACK秋月電子通商
D1LED秋月電子通商
D202CZ3.3(3.3V)
D302CZ3.3(3.3V)
D41N4148W1秋月電子通商
D51N4148W1秋月電子通商
D61N4148W1秋月電子通商
F1PolySW 1.85A秋月電子通商
G1GND_SUMMING_PT
IC1ATMEGA328P-P秋月電子通商
inputRLY1G5V2秋月電子通商
J11ch IN秋月電子通商
J22ch IN秋月電子通商
J3PHONE OUT秋月電子通商
JP2Jumper_NC_Small
JP3Jumper_NC_Small
L1220uaitendo
L2220uaitendo
P1AMP_POWERマルツ
P2OUT ch.Lマルツ
P3OUT ch.Rマルツ
P4AVRISPマルツ
P5DISPLAYマルツ
P6CONN_01X04マルツ
P7STBYマルツ
P8MUTEマルツ
Q12SK2411
Q28MHz秋月電子通商
R0110マルツ
R0210kマルツ
R0333kマルツ
R0433(2W)マルツ
R0510マルツ
R0610kマルツ
R0733kマルツ
R084.7kマルツ
R09openマルツ
R10openマルツ
R111kマルツ
R121kマルツ
R131Mマルツ
R141Mマルツ
R151Mマルツ
R161Mマルツ
R171kマルツ
R18100kマルツ
R191kマルツ
R201kマルツ
R211kマルツ
R2210マルツ
R2310kマルツ
R2410kマルツ
R2510kマルツ
R2610kマルツ
R2710kマルツ
R281kマルツ
R2910kマルツ
R3010マルツ
R311kマルツ
R3210kマルツ
R3310マルツ
R341.2kマルツ
R3510kマルツ
R3610マルツ
R3710kマルツ
R384.7kマルツ
R394.7kマルツ
R40330マルツ
R41330マルツ
R4210マルツ
R4310kマルツ
R4410kマルツ
R4510kマルツ
R4633kマルツ
RE1R_ENC_SW_RGB_LED千石電商
SW1RESETj秋月電子通商
U01NJU7223DL1秋月電子通商
U02NDS9936秋月電子通商
U03FDS4935秋月電子通商
U04MCWI03_12D05秋月電子通商
U05LME49720秋月電子通商
U06LME49720秋月電子通商
U07LM1972秋月電子通商
U08LME49600秋月電子通商
U09LME49600秋月電子通商
U10NDS9936秋月電子通商
U11LMC6482秋月電子通商
U12NDS9936秋月電子通商
U13NDS9936秋月電子通商
U14PL-IRM2161秋月電子通商
U15TLP121
U16TLP121
U17FDS4935秋月電子通商
U18SO1602AWYB-UC-WB秋月電子通商
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