実現したい機能
ステレオ電子ボリューム
電子ボリュームが製作の動機
電子ボリュームの設定値は電源OFFでも忘れないこと
ステレオ電子ボリュームICはNational Semiconductor LM1972を使う2系統オーディオ入力セレクタ
PC音源,その他音源の切り替え目的
セレクタはOMRON G5VリレーをMCUで制御するヘッドホンアンプ
せっかく作るならこれもほしい
LME49600データシート の回路を参考にして
オペアンプはNational Semiconductor LME49720を使い
バッファーにNational Semiconductor LME49600を使うパワーアンプ
手持ちのTDA7491KITを利用
ポップノイズ抑制のためにMUTE/STANDBY機能をMCUで制御する
電源側に8200uF電解コンデンサを入れる(容量の割に安かったので)
突入電流抑制回路をMCUで制御するディスプレイ
現在のボリュームを確認するために必要
ディスプレイ電源OFF機能もつける
I/Oピンの余剰数制限でI2Cインターフェースの物を使用する
有機ELキャラクタディスプレイモジュールにSunlike Display SO1602を使うステレオオーディオレベルメーター,ピークメーター
あれば楽しそうコントローラ(MCU)
arduinoで使われている物で入手性がのでAtmel AVR ATmega328Pを使う 電子ボリュームの設定値は電源OFFでも忘れないためにAVRのスリープモードをシステム電源OFFにします赤外線リモコンでコントロール
赤外線リモコンコードの学習機能をつける 赤外線リモコン受信モジュールにPARA LIGHT PL-IRM2161-XD1を使うロータリーエンコーダーでコントロール
RGBLED,スイッチ付きロータリーエンコーダにSparkfun COM-10984を使うケース
タカチHEN110820を使うKiCad EDAで設計
KiCad EDA で設計したガーバーデーターでプリント基板を発注します。
設計
図面はKiCadで書きました.
アナログ回路
オーディオ入力セレクタ
リレーのc接点によって切り替えます。
電子ボリューム
データーシートの Typical Application 通りですが後段のアンプを出力バッファの代わりにします。
ヘッドホンアンプ
ヘッドホンアンプの構成はFigure 28より U2-Aが非反転アンプ, U2-BがDCサーボ。
これを参考にVRを電子ボリュームに変更して,
オペアンプをオリジナルの左右分離は基板の配線が困難だったので,
増幅段とDCサーボに分離しました。
データシートでタンタル/セラミックコンデンサが指定されているが, すべてDCサーボ用のフィルムコンデンサと同じものを使いました。
フィルムコンデンサが1個70円もしたので, 設計図に書いてあるすべてのフィルムコンデンサは実装していません。
パワーアンプ
スイッチ付ミニオーディオジャックのAJ-1780でヘッドホンプラグが刺さっていないときにはスピーカーから音が出るようにしました。
オーディオ入力電圧絶対値回路
オーディオレベルメーター用に全波整流回路を用意します。
この回路はFigure19 Full Wave Rectifierそのままです。
制御回路
- atmega328pのクロック源は8Mhzセラロック(負荷容量付き)
- ケースを開けずにソフトウェアを書き込める用にAVRISPコネクターを用意
- ソフトウェアがフリーズしたときのためのハードリセットスイッチを用意
パワーアンプ制御回路
メインアンプICのデーターシートにNo ‘pop’ at turn-on/offと書かれているが,
ブレッドボードでの試作中に電源ON/OFF時メインアンプのポップノイズが気になったのでフォトカプラによって間接的にスタンバイ/ミュート端子を操作します。
赤外線受信モジュール回路
B.P.F Center Frequency 38KHz Peak Emission Wavelength 940nm Output Form Active low output
キャリア周波数38KHzで波長940nmの赤外線を受信できる赤外線受信モジュールを選びます。
その出力は負論理信号ですがソフトウェアで論理反転を行ないます。
RGBLED,スイッチ付きロータリーエンコーダ回路
- ロータリーエンコーダと入力スイッチはマイコン内蔵プルアップ抵抗でプルアップするので直結します。
- スイッチは負論理信号ですがプログラムで論理反転を行ないます。
- RGBLEDは +12V 電源に接続します。
I2Cディスプレイ回路
- コネクタよりディスプレイモジュール側はモジュール側の基板に取り付けます(チップコンデンサとかジャンパー線とか)
- SAOをGNDに接続しているので,I2Cディスプレイアドレスは0x3Cになります。
- ついでにディスプレイモジュールのON/OFF回路をつけておきました。
電源回路
DC12V入力をパワーアンプに供給し,3.3Vロジック電源と±5.0Vアナログ電源を作る部分です。
ヒューズ無しは不安なのでポリスイッチで保護します。
パワーアンプ電源
入力電源をANALOG_PWR信号でスイッチします。
MOSFETスイッチにはFDS4935を使います。
-7A, -30V RDS(ON) = 23mΩ @ VGS = -10V
出典: FDS4935データーシート
ID = -7A, VGS = -12VでRDS(ON)23mΩを2個並列で使うので
$$ R = \frac{1}{2 \times \frac{1}{R_{DS(ON)}}} = \frac{R_{DS(ON)}}{2} = 11.5 [ mΩ ] $$
RDS(ON) = 11.5mΩ, ID = −14 [A]のスイッチ経由でパワーアンプに電源供給します。
コンデンサの突入電流抑制は2W33Ω抵抗を直列に入れて一定時間後に2SK2411で抵抗を短絡することで行います。
3.3vロジック電源
3.3Vロジック電源はシステムON/OFFに関わらず動作している回路への電源なので,
待機電流を減らすためにできるだけ効率の良いレギュレータを探しました。
今回はNJU7223DL1-33を使います。
- 出力電流 500mA
- 低消費電流 30μA typ.
- 短絡保護回路内蔵
- サーマルシャットダウン回路内蔵
- 入力電圧 : 最大14V
- 絶対最大定格 : 消費電力7.5W (TO-252パッケージでTc≦56℃)
3.3Vロジック電源の負荷
- 有機ELディスプレイが全点灯時で 3.3V × 88mA = 290 [mW]
- 赤外線受信モジュール(IRM)が 3.3V × 2.5mA = 8.25 [mW]
- フォトカプラ2つが \( 2 × V × \frac{V − V_F}{R} = 2 × 3.3 × \frac{3.3 − 1.0}{330} = 46 [mW] \)
- マイコンは不明 全部合わせてだいたい 400~450mW くらいだろうから
負荷電流 $$ I = \frac{P}{V} = \frac{450}{3.3} = 0.136 [A] $$
レギュレータの発熱が $$ P_D = (12V - 3.3V) \times 0.136A = 1.18 W $$
絶対最大定格が7.5Wだし,基板に放熱する熱抵抗を考慮しても問題なさそう。
アナログ正負電源
アナログ正負電源は入力電源からdc-dcコンバータで±5Vを作って,チョークコイルとタンタルコンデンサで平滑します。
タンタルコンは10個100円だったので多めに入れておきました。
このコンデンサの突入電流はチョークコイルで抑制されるだろう(未確認)dc-dcコンバータにはMCWI03-12D05を使います。
FEATURES Fully Regulated Output Overload Protection Remote On/Off Control Notes All DC/DC converters should be externally fused at the front end for protection.
出典: MCWI03-12xデーターシート
- dc-dcコンバーターの保護は電源側のポリスイッチ
- 負荷の保護はdc-dcコンバーターの保護機能に頼ります
- Capacitive Load:470uFを超えるとOver current Protectionが働くようなので負荷容量はそれ以下で
アナログ正負電源はANALOG_PWR信号でスイッチし,±5V±300mAの供給能力です。
部品表
KiCadが出力したBOMファイル
Reference | Value | - |
---|---|---|
C01 | 220u | aitendo |
C02 | 47u | 秋月電子通商 |
C03 | 8200u | 秋月電子通商 |
C04 | 22u(tantalum) | aitendo |
C05 | 22u(tantalum) | aitendo |
C06 | 22u(tantalum) | aitendo |
C07 | 22u(tantalum) | aitendo |
C08 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C09 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C10 | open | |
C11 | open | |
C12 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C13 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C14 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C15 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C16 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C17 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C18 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C19 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C20 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C21 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C22 | 0.1u | 秋月電子通商 |
C23 | 0.1u | 秋月電子通商 |
C24 | 0.1u | 秋月電子通商 |
C25 | 0.1u | 秋月電子通商 |
C26 | 2.2u | 秋月電子通商 |
C27 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C28 | 1u(film) | 秋月電子通商 |
C29 | 22u(tantalum) | aitendo |
C30 | 22u(tantalum) | aitendo |
C31 | 0.1u | 秋月電子通商 |
C32 | 0.1u | 秋月電子通商 |
C33 | 0.1u | 秋月電子通商 |
CON1 | BARREL_JACK | 秋月電子通商 |
D1 | LED | 秋月電子通商 |
D2 | 02CZ3.3(3.3V) | |
D3 | 02CZ3.3(3.3V) | |
D4 | 1N4148W1 | 秋月電子通商 |
D5 | 1N4148W1 | 秋月電子通商 |
D6 | 1N4148W1 | 秋月電子通商 |
F1 | PolySW 1.85A | 秋月電子通商 |
G1 | GND_SUMMING_PT | |
IC1 | ATMEGA328P-P | 秋月電子通商 |
inputRLY1 | G5V2 | 秋月電子通商 |
J1 | 1ch IN | 秋月電子通商 |
J2 | 2ch IN | 秋月電子通商 |
J3 | PHONE OUT | 秋月電子通商 |
JP2 | Jumper_NC_Small | |
JP3 | Jumper_NC_Small | |
L1 | 220u | aitendo |
L2 | 220u | aitendo |
P1 | AMP_POWER | マルツ |
P2 | OUT ch.L | マルツ |
P3 | OUT ch.R | マルツ |
P4 | AVRISP | マルツ |
P5 | DISPLAY | マルツ |
P6 | CONN_01X04 | マルツ |
P7 | STBY | マルツ |
P8 | MUTE | マルツ |
Q1 | 2SK2411 | |
Q2 | 8MHz | 秋月電子通商 |
R01 | 10 | マルツ |
R02 | 10k | マルツ |
R03 | 33k | マルツ |
R04 | 33(2W) | マルツ |
R05 | 10 | マルツ |
R06 | 10k | マルツ |
R07 | 33k | マルツ |
R08 | 4.7k | マルツ |
R09 | open | マルツ |
R10 | open | マルツ |
R11 | 1k | マルツ |
R12 | 1k | マルツ |
R13 | 1M | マルツ |
R14 | 1M | マルツ |
R15 | 1M | マルツ |
R16 | 1M | マルツ |
R17 | 1k | マルツ |
R18 | 100k | マルツ |
R19 | 1k | マルツ |
R20 | 1k | マルツ |
R21 | 1k | マルツ |
R22 | 10 | マルツ |
R23 | 10k | マルツ |
R24 | 10k | マルツ |
R25 | 10k | マルツ |
R26 | 10k | マルツ |
R27 | 10k | マルツ |
R28 | 1k | マルツ |
R29 | 10k | マルツ |
R30 | 10 | マルツ |
R31 | 1k | マルツ |
R32 | 10k | マルツ |
R33 | 10 | マルツ |
R34 | 1.2k | マルツ |
R35 | 10k | マルツ |
R36 | 10 | マルツ |
R37 | 10k | マルツ |
R38 | 4.7k | マルツ |
R39 | 4.7k | マルツ |
R40 | 330 | マルツ |
R41 | 330 | マルツ |
R42 | 10 | マルツ |
R43 | 10k | マルツ |
R44 | 10k | マルツ |
R45 | 10k | マルツ |
R46 | 33k | マルツ |
RE1 | R_ENC_SW_RGB_LED | 千石電商 |
SW1 | RESET | 秋月電子通商 |
U01 | NJU7223DL1 | 秋月電子通商 |
U02 | NDS9936 | 秋月電子通商 |
U03 | FDS4935 | 秋月電子通商 |
U04 | MCWI03_12D05 | 秋月電子通商 |
U05 | LME49720 | 秋月電子通商 |
U06 | LME49720 | 秋月電子通商 |
U07 | LM1972 | 秋月電子通商 |
U08 | LME49600 | 秋月電子通商 |
U09 | LME49600 | 秋月電子通商 |
U10 | NDS9936 | 秋月電子通商 |
U11 | LMC6482 | 秋月電子通商 |
U12 | NDS9936 | 秋月電子通商 |
U13 | NDS9936 | 秋月電子通商 |
U14 | PL-IRM2161 | 秋月電子通商 |
U15 | TLP121 | |
U16 | TLP121 | |
U17 | FDS4935 | 秋月電子通商 |
U18 | SO1602AWYB-UC-WB | 秋月電子通商 |
6mmローレット40mmΦボリュームつまみ | 共立電子 | |
スピーカーターミナル | 共立電子 | |
耐震接着マット |